カレーは美味しい上に一度に大量に作ることができるので、ついつい作り置きしてしまいがちです。
しかし、カレーは腐りやすい典型的な料理なので、適切な方法で保存するのが大事になります。
今回はカレーの常温・冷蔵・冷凍、それぞれの保存方法の違いや具体的な保存方法について詳しく解説していきます。
カレーの常温保存・冷蔵保存・冷凍保存の違い
カレーは常温保存、冷蔵保存、冷凍保存の3つ保存方法が考えられますが、これらはそれぞれどれくらいの期間日持ちするのでしょうか。
まとめると以下のとおりです。
常温保存 | 冬は1日もつこともあるが適切な温度管理が重要。湿度の高い時期や暑い夏季などであれば1日経たずに腐る。 |
冷蔵保存 | “3日”程度の保存が可能。 |
冷凍保存 | “1ヶ月”程度の保存が可能だが、小分けにしたり解凍したりするのに手間がかかる。 |
確実に食中毒のリスクを排除するためには、季節に関係なくカレーを常温保存するべきではありません。
冬ならそこまで神経質になることもないかもしれませんが、それでもきちんと温度管理をして適切に保存するのが必要になります。
3日以内に食べきるのであれば冷蔵保存、それ以上の長期間の保存であれば冷凍保存をしましょう。
カレーの保存法
では、それぞれの保存方法の手順について見ていきます。
常温保存の方法
基本的にカレーは冷蔵・冷凍保存するのが望ましいのですが、寒い時期であったり数時間後に再び食べるなんていう場合などは常温でもあまり危険はありません。
ただし、その場合でも注意すべきことはあります。
- 温めた後は氷水に鍋を漬けるなどして常温まで冷ます(調理後3時間以内)
- 定期的に温めて殺菌する
- 再び食べる際はしっかり加熱する
カレーの食中毒の1番の原因である“ウェルシュ菌”は20℃~55℃で増殖します。
なので、菌が最も増えやすく危険な状況というのは、加熱したカレーを常温で放置している時です。
できるだけこの時間帯を短くするために、カレーは加熱後はできるだけ早く氷水などを使った冷ましましょう。
冷ましている際は鍋のフタを外して、冷めた後にフタをします。
また、中までしっかり冷ますために時折かき混ぜます。
次の日食べるにしても24時間放置するのではなく、8時間~12時間後に再加熱して殺菌すると良いでしょう。
ウェルシュ菌は酸素がないところで増殖するので、加熱の際にも空気を含ませるようによくかき混ぜるのも大事です。
ちなみにウェルシュ菌を含む多くの菌は75℃以上で1分加熱すると死滅しますが、ウェルシュ菌が耐性をもつ“芽胞”を作ると100℃で数時間加熱しても殺菌することができません。
冷蔵保存の方法
続いて2~3日の間は日持ちする冷蔵保存の方法です。
冷蔵保存の手順をまとめると以下のとおりです。
- 調理後は氷水に鍋を付けるなどして常温まで冷ます(調理後3時間以内)
- 1回の食事分ごとに別容器に小分けして密閉して冷蔵庫に入れる
- 食べる際にはしっかり加熱する
調理後にそのまま冷蔵庫に入れるのではなく、ある程度冷ましてから入れましょう。
常温保存の方法と同様にまずは鍋を氷水に付けてカレーを冷まします。
鍋のまま冷蔵庫に入れても良いのですが、臭いが他のものに移ってしまうので容器に移し替えて密閉するのが望ましいです。
この時、1回に食べる分ごとに小分けしておくと便利なだけではなく、空気と触れる表面積が増えてウェルシュ菌の増殖を抑えることにも繋がります。
そして、冷蔵保存したカレーを食べる際にもしっかり加熱しましょう。
冷凍保存の方法
続いて1ヶ月の間は日持ちする冷凍保存の方法です。
冷凍保存の手順をまとめると以下のとおりです。
- 調理後は氷水に鍋を付けるなどして常温まで冷ます(調理後3時間以内)
- じゃがいもは取り除くかすり潰しておく
- ジップロックなどに小分けして冷凍庫に入れる
- 食べる際は前日に冷蔵庫に入れておくか、湯煎で解凍する
最初の手順は他の保存方法と同様、菌が繁殖しやすい温度帯をすぐに脱するためです。
また、熱い状態のまま冷凍庫に入れたら他の食品に熱が及びますからね。
そして、じゃがいもはそのまま冷凍すると繊維が壊れてカスカスの状態になり、美味しくなくなってしまいます。
カレーを冷凍する際はじゃがいもを取り除くか、もしくはすり潰しておくかしましょう。
そしてジップロック等のフリーズパックにカレーを小分けにしますが、この際平べったくすると解凍の際の時間短縮に繋がります。
節約のためにラップで保存するのもおすすめです。
容器で型どったラップにカレーを流し込み、これをラップでしっかり包みます。
食べる際には湯煎で解凍するか、もしくは前日に冷蔵庫に入れておくと自然解凍できます。
腐ったカレーの見分け方
最後に腐ったカレーの見分け方についてです。
カレーが腐ると以下のような異常が見られます。
異変が分かりやすいので、違和感がある時点で食べるのは控えたほうが良いでしょう。
材料代や作った手間が惜しく、「なんとか食べられないかな」「加熱したら大丈夫じゃないかな」など思いがちです。
その気持ちはとても分かりますが、食中毒になった時の苦痛や病院代、病院に行く手間などを考えると潔く廃棄するのをおすすめします。
ちなみに、もしもウェルシュ菌の食中毒にかかると、8時間~20時間程の潜伏期間を経てから下痢や腹痛に見舞われます。
あとがき
以上、カレーの保存法による違いや具体的な保存法などについてでした。
カレーは美味しい上に簡単かつ大量に作ることができるので、ついつい作り置きしてしまいがちです。
しかし、同時に腐りやすい食べ物でもあるので、適切な方法で保存するのが重要になります。
ぜひこの記事を参考にして頂ければなと思います。