卵は『完全栄養食』と言われるほど栄養価が高く、健康や美容に良いとされる食品です。
しかしその一方で、“高カロリー”というイメージがある人も多いのではないでしょうか。
そこで今回、卵のカロリーや栄養が他の食品と比べてどのくらいのものなのか、詳しくか解説していきます。
卵の栄養・カロリーグラフ
卵のカロリーについて
では卵のカロリーについて解説していきます。
卵のサイズ別のカロリー
卵のサイズ別の重量とカロリーをまとめると大体以下の通り。
スーパーで売られている卵はM、Lが多いので、「卵1個で80~90Kcal程」と覚えておくと良いでしょう。
他の食品とのカロリー比較
卵のカロリーを他の食品と比較してみましょう。
卵Lが1個で90Kcalなので、これはコンビニおにぎりの半分相当のカロリー。
ご飯1膳(160g)は約270Kcalなので、卵3個がこれに相当します。
卵は太るのか?
卵は「高カロリーで太りやすい」というイメージがある人も多いと思いますが、実際どうなのでしょうか?
中には「卵は糖質をほとんど含んでいないから太らない」なんて言う人もいますが、これは間違いです。
太る原因となる栄養素は何も糖質だけでなく、たんぱく質や脂質も余剰のエネルギー分だけ脂肪に変換されます。
つまり毎日卵を2個食べている人は、これをなくすだけで“おにぎり1個”減らすのと同じだけダイエット効果が得られるということです。
卵はそれなりのカロリーになるので、卵のカロリーがダイエットに影響することも十分考えられます。
しかし、だからといって「痩せるために卵を食べない」というのはオススメしません。
ダイエット中でも卵を毎日食べるべき!
ダイエット中であっても毎日卵は食べるべきです。
理由としては以下の2つ。
- カロリー以上に栄養面でのメリットが大きい
- 普通の食生活で食べ過ぎというのは考えにくい
卵はたしかに高カロリーですが、それ以上に栄養の恩恵が大きいのです。
ダイエット中に不足しがちなたんぱく質やビタミン、ミネラルの大部分を補うことができます。
健康のことを考えるとこれほど重宝する食材はないでしょう。
同等の栄養を他の食材で補給する場合、もっと高カロリーになってしまいますからね。
また普通の食生活の場合、多くても1日に食べる卵は3個程度でしょう。
カロリーにすると~300Kcal程ですね。
低カロリーとは言い難いですが、恐らく1日の摂取カロリー全体の10~15%にしかなりません。
卵を制限しても最大それくらいしかカロリー削減にならないのです。
それに、わざわざ貴重な栄養源からカロリーを削減するのではなく、もっと優先的に減らすべきものがあるはずです。
多くの場合カロリーの60%近くが炭水化物で、その大部分が主食(ご飯やパンなど)。
ご飯やパンなどの栄養素は炭水化物以外あまり豊富ではないので、これを減らしても健康に問題は出にくいです。
また、お菓子やデザートを毎日食べる人は、卵のカロリーを気にするくらいならこちらを減らすべきです。
卵の栄養について
続いて卵の栄養について解説していきます。
卵は完全栄養食品
単一で必要な栄養素を豊富に含んだ食品、または料理を“完全栄養食品(完全食)”といいます。
卵は、その“完全食”として認められている食品です。
特に『良質なたんぱく質』が豊富に含まれており、さらにビタミン・ミネラルを幅広く補給できます。
ただ卵だけでは当然不足する栄養素もあるため、卵だけでは健康を保つことはできません。
卵だけでは不足する栄養素
よく『完全食品=必要な栄養素を全部含んでいる食品』と勘違いしている人がいるので、
そこは注意が必要です。
卵の場合は“糖質”や“食物繊維”、“ビタミンC”がほとんど摂取できません。
糖質についてはよほど過酷な制限をしない限り不足することはありませんが、食物繊維やビタミンCは他の食品でしっかり意識的に摂る必要があります。
また、一部ビタミンB群やカリウム、カルシウム、たんぱく質なども卵だけで十分量摂ることはできません。
卵だけではなく、肉や魚、乳製品、野菜、果物など、バランスのよい食事を摂るのが望ましいですね。
ちなみに完全食は他にも玄米、牛乳、さつまいも、カレーライスなどが挙げられます。
これらも多くの栄養が補給できることには間違いないですが、単一で健康に関する栄養素を摂取するのは不可能です。
卵の健康・美容効果
卵の健康・美容効果として、以下のものが挙げられます。
では、順番に説明してきます。
【卵の効果効能1】脳の活性化
卵には“コリン”という物質が含まれており、これは脳の伝達物質になります。
そのため、卵を食べることで脳を活性化し、記憶力をアップさせたり、ボケを防止したりできます。
また、コリンはアルツハイマー病の予防にも効果的という研究もあります。
【卵の効果効能2】風邪の予防
風を引いたら“卵酒”を飲むという慣習があると思いますが、実はあれは理にかなった方法です。
卵の卵白には“リゾチーム”という酵素が含まれており、これは菌をやっつけて風邪の予防や風邪を治すのに役立ちます。
実際に風邪薬の原材料として“リゾチーム”が使われています。
【卵の効果効能3】二日酔い予防
また、メチオニンは肝臓でアルコールを分解するのに必要な物質であり、二日酔いの薬に使われる成分です。
そのため、メチオニンの豊富な卵を食べると二日酔いの防止にもつながります。
また、お酒を飲んだ次の日に“筋肉痛”になることはありませんか?
筋肉を修復するにはアミノ酸が必要ですが、上記のようにアルコールの分解で大量に使われるため、筋肉が修復しきれずに筋肉痛を引き起こすと言われています。
【卵の効果効能4】美肌効果
卵は抗酸化作用があるビタミンや、肌を構成するアミノ酸が豊富なため、美肌に最適です。
アミノ酸によりコラーゲンが構成されるのです。
「コラーゲンを摂取すれば美肌効果につながる」ということはよく聞くと思います。
ただこれは間違いで、コラーゲンをとっても結局はアミノ酸に分解され、再びコラーゲンになるのはそのごく一部。
それよりも、“良質なタンパク質”を摂取する方がよっぽど効率的と言えるでしょう。
あと、卵に含まれていない“ビタミンC”を他の食品から摂取できると、なおいいですね。
あとがき
以上、卵のカロリーや栄養素についての考察や健康・美容効果について解説しました。
今回は、比較的卵のいい面についてピックアップして書きましたが、卵の悪い面も度々話題として上がります。
特に代表的なのが、「卵はコレステロールが多いので、食べ過ぎは健康に悪い」という文言。
コレステロール値が上昇すると動脈硬化を引き起こし、脳や心臓に関する重大な病気のリスクを高めるため、健康において非常に重要な案件です。
しかし結論を述べると、この通り。
『“高脂血症の人”や“コレステロールが元々高い人”でなければ、毎日卵を5個くらい食べても問題ない』
また、卵の賞味期限や保存方法についてはこちら。