もやしは栄養豊富なのか。それとも栄養は少ないのか。
どちらの情報もよく聞くので、どちらが正解なのか、また、もやしは他の野菜と比べた時どれくらいの栄養が含まれているのか、きちんと理解している人はほとんどいません。
ということで今回、もやしの栄養やカロリー、そしてそれに関連して、もやしの種類や効果的な調理方法について詳しく説明していきます。
1.もやしのカロリーと栄養素
今回は上記のデータを元にのカロリーや栄養について詳しく解説していきます。
2.もやしに栄養はない!
結論を言いますが、もやしの栄養は他の野菜と比べてとても少ないです。
…というようなサイトを最近よく見かけますが間違いです。
もやしは“普通に”栄養が少ない野菜です。
ちなみに、栄養価が低い野菜といえば『きゅうり』が有名で、かつて「最も栄養価(カロリー)の低い果実」としてギネス記録に載った程です。
もやしの栄養価の低さは、世界一の野菜“きゅうり”と比較してもほとんど遜色ありません。
では、いかに“もやしには栄養が無いのか”について説明していきましょう。
2.1.もやしは95%が水分
もやしは95%が水分から成ります。
グラフにするとこんな感じ。
参考:カロリーSlim
もやしに限らず野菜はその大部分は水分が占めますが、それでもこの95%というのは群を抜いてます。
ちなみにキュウリも同様に水分は95%程です。
2.2.もやしのビタミンCの量
もやしの代表的な栄養素といえば“ビタミンC ”です。
しかし、そのビタミンCも実は大した量ではありませんでした。
具体的にわかり易い例を挙げると、『もやし1パック(約250g)=キャベツの葉1枚(約50g)』です。
これらにビタミンCが約19mg含まれていますが、1日に必要なビタミンCの1/6程度です。
1日に必要なビタミンCをもやし1食分で摂取しようとするならば、1.5Kgくらいのもやしを食べないといけません。
2.3.食物繊維の量
そして、ビタミンCと同程度に代表定期な栄養素が“食物繊維”ですが、案の定もやしの食物繊維もそんなに多くはないのです。
例を挙げると、『もやし1パック(約250g)=ごぼう1/3本(約60g)=納豆1パック(約50g)』です。
これらに食物繊維が約3g含まれていますが、これも1日に必要な食物繊維の1/6程度です。
1日に必要な食物繊維をもやし1食分で摂取しようとするならば、これも1.5Kgくらいのもやしを食べないといけません。
2.4.もやしを食べても野菜を食べた気になってはいけない
野菜といえば、一般的には“食物繊維”や“ビタミン”、“ミネラル”が豊富なので、体調や美容を保つためには欠かせません。
野菜が嫌いでも「健康のために野菜を食べないと!」という意識は、誰しも自然と身についているものです。
しかし、もやしを食べたからといって、野菜を食べた気になってはいけません。
実際もやしを1パックも食べれば、ものすごく野菜を摂取した気になって「健康に貢献した」という感じになってしまいます。
けど、今まで見てきましたが、もやし1パック程度では摂取できる栄養はたかが知れているのです。
もやしは栄養摂取の観点ではそこまで優秀な食品ではないということを、知ってもらえたらなと思います。
3.ダイエットにはおすすめ
もやしは栄養価が低い反面、その分低カロリーでもあり、ダイエットにはおすすめの食品です。
もやし1袋(約250g)でおよそ34Kcal程しかないので、何袋食べた所で太ることはありません。
もやし7パック食べて、ようやくご飯一杯分のカロリーになるくらいですからね。
さらに、シャキシャキとした食感と癖のない味のため、単品で食べるのもいいですし、色んな料理に合わせることも出来、あまり抵抗なく大量に食べることができます。
食欲が旺盛でついつい食べ過ぎてしまうという場合には、もやしで料理のかさ増しをするといいでしょう。
ただし、栄養面については気をつけてください。
健康的かつ美容を損ねず痩せるためには、ただ摂取カロリーを減らすだけではなく、最低限の栄養素、特にタンパク質やビタミン、ミネラルの摂取を欠いてはいけません。
摂取カロリー低減のためにもやしを食べてもビタミン・ミネラルの摂取はあまり期待できないので、他の野菜や果物などできちんと摂取することをオススメします。
4.もやしの種類
続いて、もやしの種類についてお話していきましょう。
もやしには大きく分けて3種類のもやしが存在します。
昔はブラックマッペしかありませんでしたが、現在生産量が最も多く主流となっているのが“緑豆もやし”です。
なので、一般的に「もやし」と言われて多くの人が思い浮かべるのが緑豆もやし。
緑豆もやしよりも若干細いのが“ブラックマッペもやし”、緑豆もやしより太く長いのが“大豆もやし”です。
基本的に栄養価は以下の順番となります。
『大豆もやし>ブラックマッペもやし>緑豆もやし』
大豆もやしは、タンパク質、食物繊維、ビタミンB群が緑豆もやしの1.5倍~2倍のあり、もやしといえど、非常に栄養豊富な食材です。
料理によって合うもやしの種類は違いますが、是非大豆もやしを積極的に使っていってください。
5.もやしの栄養をムダにしない効果的な食べ方
続いて、もやしの栄養素を無駄にしない効果的な食べ方、調理方法をご紹介します。
もやしを調理する上で注意しないといけないのが、水に溶けて熱に弱い水溶性ビタミンの『ビタミンC』の損失です。
ビタミンCはあまり考えずに長時間水にさらしたり、熱を加えたりすることで、どんどん減少していってしまうのです。
そこでもやしの調理のポイントは2点。
- 水に長時間晒しておかない
- 加熱時間を短縮する
5.1.水に長時間晒しておかない
もやしを袋から取り出してからさっと洗う、そして、調理は茹でるのではなく炒める、そうすることであまり水に晒すことがないので、ビタミンCの損失を防げます。
これは、多くの野菜にも共通して言えることですね。
特にビタミンCが豊富な野菜といえば『キャベツ』ですが、キャベツも短時間で洗い、茹でるのを控えるということを心がけるようにしましょう。
5.2.加熱時間を短縮する
ちょっとの工夫で加熱時間を短縮することが出来ます。
- 炒める場合は最後の方にする
- 茹でる場合は、水に少量の油を加えて沸点を上げ、さらに水が高温になってから短時間で一気に茹で上げる
- 電子レンジを使う
こんなところでしょうか。
これに関しても他の野菜にも共通して言えることなので、是非参考にして下さい。
あとがき
以上、もやしの栄養や種類、調理法についてでした。
「もやしはビタミンCを始めとする各種ビタミン・ミネラル、そして食物繊維が豊富である」
とするネットの情報もありますが、ビタミンCも食物繊維もあまり期待できません。
もやしは栄養価は低いですが、カロリーも極めて低く、そして食べやいので、ダイエットには最適な食材であるということが分かってもらえたかと思います。
まあ、個人的には栄養とかカロリーとか関係なく、あのシャキシャキとした食感がたまらなく好きなので、かなりの頻度で食べています。
もやしは決して身体に悪いというわけではなく、多くの人が想像よりも健康面のプラスが少ないというだけなので、もやしが好きな人は気にせず食べて貰えたらなと思います。
ちなみに、もやしの保存方法や消費期限についてはこちら。