【無調整豆乳・調整豆乳・豆乳飲料】豆乳の種類による味や成分の違い

豆乳といえば、栄養が豊富で健康や美容に効果的な飲み物です。
しかし一言で“豆乳”と言っても、豆乳にはいくつか種類があります。

主に以下の3種類。

  • 無調整豆乳
  • 調整豆乳
  • 豆乳飲料

それぞれの違いは何なのか、成分や味にどのような違いがあるのかを解説していきます。

無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の違い

正式な定義

それぞれの正式な定義(JAS規格)としては、『大豆固形分』『大豆たんぱく質』の割合で決まります。

豆乳の種類大豆固形分大豆たんぱく質
無調整豆乳8%以上3.8%以上
調整豆乳6%以上3.0%以上
豆乳飲料(果汁系飲料)2%以上0.9%以上
豆乳飲料(その他)4%以上1.8%以上

つまり、原料の大豆成分がどれだけ残っているかで、どれに分類されるかが変わってくるということです。

無調整豆乳は大豆成分がたくさん残っており、調整豆乳、豆乳飲料となると他の成分の割合が多くなるため大豆成分が少なくなっていきます。

味の違い

無調整豆乳は大豆成分が多いため、より大豆の健康・美容効果も大きくなります。

しかし、大豆独特の風味・後味が強いため苦手に感じる人も多いです。

砂糖や塩、香料、果汁などで味を調整して飲みやすくしたのが“調整豆乳”、“豆乳飲料”です。

大豆成分は若干減りますが、調整豆乳は独特の風味が薄まり、豆乳飲料はさらにバリエーション豊富な味を楽しむことができるのです。

では具体的に栄養成分にどれだけ違いがあるのか、実際に比べてみましょう。

栄養成分の違いを比較

実際にキッコーマン・紀文の商品を用いて栄養成分を比較してみましょう。

「おいしい無調整豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料 麦芽コーヒー」の栄養成分を表にまとめました。

※それぞれ紙パック1個分(200ml)あたりの栄養成分です。

比較項目無調整豆乳調整豆乳豆乳飲料
カロリー115Kcal117Kcal135Kcal
たんぱく質9.1g7.7g5.4g
脂質7.3g7.7g5.6g
炭水化物3.2g4.1g15.7g
ナトリウム0mg181mg83mg
カリウム425mg329mg257mg
カルシウム34mg109mg48mg
マグネシウム56mg42mg31mg
1.1mg0.9mg×
亜鉛0.9mg××
レシチン421mg324mg211mg
大豆サポニン80mg77mg46mg
イソフラボン56mg43mg28mg

特に注目してもらいたいのは表の中で色を変えている成分です。

では詳細に解説していきます。

たんぱく質

たんぱく質は調整豆乳、豆乳飲料となると量は少なくなります。

豆乳が健康に良いのは、“良質なたんぱく質”によるところが大きいので、たんぱく質の量の違いは重要です。

たんぱく質には、“動物性たんぱく質”と“植物性たんぱく質”に分かれますが、それぞれメリットとデメリットがあります。

  • 動物性たんぱく質:必須アミノ酸のバランスが良いが、脂肪になりやすくコレステロール、高血圧のもとになりやすい
  • 植物性たんぱく質:必須アミノ酸が不十分だが、脂肪になりにくくコレステロール、血圧を抑制できる

豆乳は植物性たんぱく質でありながら、構造は動物性たんぱく質に近いので、両方のたんぱく質のメリットを持ち合わせているのです。

また、たんぱく質は全身の組織を構成する成分であるため、あらゆる健康や美容に関与します。

また、筋肉を維持して体脂肪を効率的に落とす効果も見込めるため、ダイエット中にも重要になります。

炭水化物

豆乳を飲みやすくするため、調整豆乳、豆乳飲料となるほど糖質(炭水化物)を多く配合します。

豆乳飲料は大豆の脂質が少ない代わりに糖質が著しく多くなるため、種類によってはカロリーが大幅に増えるので注意が必要です。

ナトリウム

塩分です。
無調整豆乳は塩分を含みませんが、調整豆乳や豆乳飲料は多く含みます。

日本人は基本的に塩分を摂りすぎる傾向にあり、そのため“むくみ”“高血圧”などの症状に悩んでいる人は多いです。

調整豆乳の塩分は健康に大きな影響を与えるほどでもないのですが、塩分は極力控えるに越したことはありません。

カリウム

カリウムは調整豆乳、豆乳飲料となるほど少なくなっていきます。

カリウムはナトリウムとは対をなす栄養素で、ナトリウムの排出に役立ちます。

レシチン

脳の活性化

レシチンも調整豆乳、豆乳飲料となるほど少なくなっていきます。

記憶力向上や集中力向上など、脳の活性化に役立ち、アルツハイマー病、パーキンソン病の予防に効果的と言われています。

大豆サポニン

大豆サポニンも調整豆乳、豆乳飲料となるほど少なくなっていきます。

大豆サポニンは脂肪の吸収を抑えられ、さらに食欲低減効果もあります。

他にも、便秘改善、成人病予防にも有効です。

イソフラボン

女性ホルモン

イソフラボンも調整豆乳、豆乳飲料となるほど少なくなっていきます。

イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするので、女性ホルモン低下に伴う諸症状の予防に役立ちます。

女性ホルモン低下に伴う症状
  • 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
  • 乳がん
  • 更年期障害
  • 動脈硬化
  • 不眠
  • 肩こり

ただし女性が大豆イソフラボンを摂取しすぎると生理が遅れる場合があります。

大豆イソフラボンの1日の摂取量の適量は『70~75mg』なので、注意が必要です。

あとがき

以上、豆乳の種類による違いについてでした。

豆乳の種類による成分の優劣は割とはっきりしているので、無調整豆乳の味や風味が平気な人は無調整豆乳を飲むのをおすすめします。

ちなみに、ダイエット目的で豆乳を飲む人は多いのですが、これはおすすめしません。
豆乳自体カロリーがそれなりにあるので、飲めば痩せるというのもでもないのです。

ただ、ダイエット中の栄養不足を補うのには適しているといえるでしょう。

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