食欲の秋を代表する食材の一つに挙げられる“さつまいも”ですが、カロリーが高く太りやすいという印象を持っていないでしょうか?
確かにカロリーはそれなりに高いですが、その分健康や美容に有効な成分が豊富に含まれていますし、ダイエットに効果的な栄養もいくつかあります。
そこで今回、さつまいもがどれくらいのカロリーなのかを他の食材と比較したり、どんなに栄養が豊富なのか、またダイエットに向いているのかどうかなどを詳しく解説していきます。
1.さつまいものカロリー・栄養
今回は上記のデータを元にのカロリーや栄養について詳しく解説していきます。
2.さつまいものカロリーについて
さつまいもは中くらいの大きさのもの(200g)で264Kcalです。
これがどのくらいのものなのかイメージし辛いと思うので、具体的な例をあげたり他の食品と比較したりして説明していきます。
2.1.さつまいも料理のカロリー
さつまいもを使った料理がどの程度のカロリーなのかを見ていきましょう。
それぞれ100gあたりのカロリーです。
焼き芋100g:132Kcal | スイートポテト100g:226Kcal |
天ぷら100g:217Kcal | 芋けんぴ100g:206Kcal |
大学いも100g:231Kcal |
サツマイモ料理はその甘さを活かすためにデザートとして用いられることが多く、さらに糖質を加えてられたり、油で調理されたりします。
そのためサツマイモ料理は高カロリーになってしまいがちです。
2.2.他の食品のカロリーとの比較
次にさつまいもと他の食品100gのカロリーを比較します。
日本で最も馴染みのあるイモであるジャガイモ、そして同じ炭水化物の食品である“ご飯”と“食パン”です。
さつまいも100g:132Kcal | じゃがいも100g:76Kcal |
ご飯100g:168Kcal | 食パン100g:264Kcal |
さつまいもがジャガイモよりもカロリーが高いのは、さつまいものほうが水分比率が10%以上低く、その分炭水化物(糖質)が豊富だからです。
食パンも水分が少ないため同じ重さ当たりだと高カロリーになります。6枚切り食パン1枚(60g)で158Kcalです。
ご飯やパンと比べたら少しカロリーは低いですが、やはりさつまいもは糖質をたくさん含んでいるため、カロリーは決して低いとはいえませんね。
3.さつまいもの栄養について
続いて、さつまいもの栄養について解説していきましょう。
さつまいもはご存知イモ類なので、ジャガイモと同様に“炭水化物の食材”という印象があると思いますが、他にも健康や美容に効果的な栄養も豊富に含まれています。
特筆すべき栄養素は以下の通り。
- ビタミンE
- ビタミンC
- 食物繊維
- ポリフェノール
3.1.ビタミンE
さつまいもには強力な抗酸化作用を持つビタミンEが多く含まれています。
抗酸化物質は、自身が酸化されやすいという性質があり、自分自身が参加されることで細胞の酸化を防いでくれるのです。
これがアンチエイジング効果、老化防止につながり、肌を綺麗に保ってくれたり、健康を保ったりするのには欠かせません。
3.2.ビタミンC
抗酸化作用やコラーゲンを作るのを助ける作用、鉄分の吸収促進など、健康や美容に欠かせない成分であるビタミンC。
さつまいもはこのビタミンCが豊富に含まれており、その量はさつまいも一個(200g)で1日のビタミンC推奨量の半分に達するほどです。
ビタミンCといえば、熱に弱いいわゆる“水溶性ビタミン”なので、一般的には加熱調理するとその多くが壊れてしまいます。
しかし、さつまいもの場合はでんぷん質が膜を張ってビタミンCを守る性質があるので、加熱しても壊れにくいのです。
加熱を前提とした食材の中で十分なビタミンCが補給できる珍しい食材です。
- 抗酸化作用(アンチエイジング効果)
- 鉄の吸収促進(貧血予防)
- コラーゲンの合成促進(美肌効果・壊血病予防)
3.3.食物繊維
さつまいもは繊維質が多い印象があるかと思いますが、実際に食物繊維も豊富です。
炭水化物の食品である白米やパン、麺類と比べて圧倒的に多いですし、野菜の中で見ても比較的多いグループに分類されます。
これにより、便秘解消やコレステロール値の低減、食欲の抑制などに効果的です。
3.4.ポリフェノール
さつまいもは“クロロゲン酸”というポリフェノールが豊富に含まれています。
さつまいもを焼いて焼き芋にした際、コーヒーの匂いに似た香ばしい匂いがしますが、この匂いの原因がクロロゲン酸です。
これは抗酸化作用の他に、脂肪の燃焼を助ける作用がありダイエットに効果的と言われています。
肝臓の細胞内には脂肪を燃焼させてエネルギーに変換する、“ミトコンドリア”という器官があります。
脂肪(遊離脂肪酸)がミトコンドリアに運ばれてきて、これがエネルギー源として使用されることが脂肪燃焼の最終工程なのですが、ミトコンドリアの働きが悪いと脂肪が効率的に燃焼されません。
そこでミトコンドリアを活性化させるのに効果的なのがクロロゲン酸なのです。
クロロゲン酸はミトコンドリアを活性化させる効果が認められており、脂肪燃焼に効果的と言われています。
この成分はさつまいも100gあたり200mg強含まれており、コーヒー一杯と同等の量です。
4.ダイエットに向いている?
続いて、さつまいものダイエット面に着目してみましょう。
さつまいもは単体でみてもカロリーが比較的高いですし、油を使う料理が多いので、さらに高カロリーになってしまします。
しかしその一方で、さつまいもはクロロゲン酸が脂肪燃焼を促進したり食物繊維が食欲を抑制してくれたり、ダイエットに効果的な成分がいくつか含まれています。
そしてさらに注目すべき項目が“GI値”です。
さつまいもは他の食品と深くしてもGI値が低い食品として注目されています。
4.1.さつまいもは低GI
まず、GI値とは一体何なのか?
食品にはGI値という概念が存在し、分かりやすく言えば血糖値の上がりやすさです。
私達は炭水化物(糖質)を摂取すると、それを消化して血糖値を上げてエネルギーに変換します。
GI値は、このスピードのことです。
血糖値が急激に上がると糖尿病のリスクを増大したり、体脂肪を増やす要因となってしまいます。
GI値は同じ食品でも調理の仕方で変わってきますが、さつまいもは他の炭水化物の食品と比べてGI値が低い性質があるのです。
GI値が低いということは、脂肪が蓄積しにくいということにも繋がりますし、血糖値の上昇が緩やかなので腹持ちが良いということです。
しかし、「GI値が低いからさつまいもをいっぱい食べても太らない」ということは決してありません。
体重の増減はGI値よりもカロリーの方が重要なので、高カロリーなさつまいもは摂取したカロリーの分太ります。
では、さつまいもはダイエット中にさつまいもを食べるならどうすればいいのか?
4.2.ダイエット中にさつまいもを食べるなら
たださつまいもを食べたからといって、今までと同じカロリーを摂取していたら痩せるはずがありません。
なので、ダイエット中にさつまいもを食べたい場合、もしくはさつまいもを用いてダイエットをしたい場合、その分通常の食事量を減らすのが必須となります。
具体的な方法としては“置き換えダイエット”です。
通常の食事の代わりさつまいもを1個だけ食べたり、食事の前にさつまいもを食べて通常の食事の量を減らしたりしましょう。
前述しましたが、さつまいもは腹持ちが良いので食事の量を減らすのに向いています。
栄養についてもビタミンや食物繊維など不足しがちなものが多いので、健康的にダイエットできるという点でも優秀な食品です。
ただ、それでもさつまいもでは補えない栄養素があるので、それを他の食事できちんと補うことを心がけましょう。
特にたんぱく質ですね。
たんぱく質が不足してしまうと筋肉が極端に落ちて見栄えの悪い体になってしまったり、肌がボロボロになってしまうこともあるので注意が必要です。
大豆製品や乳製品、肉、魚、もしくはプロテインでもいいので、きちんと摂取しましょう。
あとがき
以上、さつまいものカロリーと栄養について解説していきました。
さつまいもはカロリーはそれなりに高いですが、その分、ビタミンやポリフェノール、食物繊維など、栄養が豊富なので、健康や美容に有効な食品です。
なので、うまくカロリーコントロールさえできれば、ダイエットにも効果的に用いることもできます。
しかし逆に、たださつまいもを食べるだけなら当然その分太ってしまいますし、他の食事をあまり取らずさつまいもだけ食べていたら栄養が偏ってしまい健康や美容にはマイナスです。
きちんと一日の食事のバランスを考えて、栄養をしっかりとることを心がけましょう。
ちなみに、さつまいもの保存方法についてはこちらをご覧ください。