玄米の栄養と効果・効能|玄米ご飯のメリット・デメリットについて

玄米は白米と比べて栄養面で非常に優れています。

主要な栄養素が“ほぼ糖質”の白米に対し、玄米はあらゆるビタミン・ミネラルが豊富に含まれているのです。

では具体的に玄米にはどのような効果・効能が期待できるのでしょうか?
また、玄米食に関して危険性やデメリットの声も見られるのですが、実際のところどうなのでしょうか?

今回は玄米ご飯の栄養から、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

玄米・胚芽米・白米の違い

まず玄米胚芽米白米の違いについて簡単に説明します。

早く本題に入って欲しいという場合は『玄米・胚芽米・白米の栄養成分を比較』まで飛ばしてください。

玄米とは一体どういったお米で、通常の白米とはどういった違いがあるのかご存知でしょうか?

簡単に表すなら、“稲の籾(もみ)から籾殻を取り除いた直後の状態”、そして“白米を精米する前の状態”です。

つまり玄米は、精米で取り除かれる成分が残った状態のお米というわけです。

その成分とは、『胚芽』『ぬか層』を指します。(胚乳は白米成分)“胚芽”はお米の芽に当たるもので、“ぬか層”はお米の表面を覆っている米ぬかです。

玄米の構造

つまり玄米と白米の栄養の差は、『胚芽』と『ぬか層』にあるというわけです。

ちなみに胚芽を残してぬか層だけ除去するように精米したものを“胚芽米”と言います。

まとめると、『玄米』は収穫した稲の『籾』を脱穀したもの。
そして胚芽を残して精米したものが『胚芽米』、胚芽を残さずに精米したものが『白米』です。

各種成分の違いは以下の通り。

  • 白米:胚乳
  • 胚芽米:胚乳+胚芽
  • 玄米:胚乳+胚芽+ぬか層

玄米は“米ぬか”により焦げ茶色のような色ですが、そのため玄(黒い)米といわれています。

玄米は精白米よりもビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富なのは、“ぬか層”“胚芽”による栄養のためです。

では栄養面でどのような違いがあるのか見ていきましょう。

玄米・胚芽米・白米の栄養成分を比較

玄米・胚芽米・白米のカロリーや栄養成分を表にまとめると以下の通り。

■玄米・胚芽米・白米1食分(160g)当たりの栄養成分

栄養素玄米胚芽米白米
エネルギー264Kcal267Kcal269Kcal
タンパク質4.48g4.3g4g
脂質1.6g1.0g0.48g
炭水化物56.96g58.2g59.36g
食物繊維2.24g1.3g0.48g
ビタミンE0.8mg0.64mg不明
ビタミンB10.26mg0.13mg0.03mg
ビタミンB20.03mg0.02mg0.02mg
ナイアシン4.64mg1.28mg0.32mg
ビタミンB60.35mg0.14mg0.03mg
葉酸
16.0μg9.6μg6.0μg
パントテン酸1.04mg0.70mg0.4mg
ビオチン4.0μg1.6μg0.8μg
カリウム152.0mg81.6mg46.4mg
マグネシウム78.4mg38.4mg11.2mg
リン208mg108.8mg54.4mg
0.96mg0.32mg0.16mg
亜鉛1.3mg1.1mg1.0mg

あらゆる栄養素について玄米の方が多いことが見て取れますね。

三大栄養素に関してはそこまで大差はないのですが、食物繊維・ビタミン・ミネラルにおいては栄養の差は歴然です。

これをグラフにすると以下の通り。

玄米の栄養成分を1としたときの胚芽米・白米の割合を示したものです。
これを見るだけでも玄米が健康や美容に良さそうなのがわかるかと思います。

ではこれらの栄養素が白米と比べどのような効果をもたらすのかを説明します。

玄米の健康・美容効果

玄米の効果・効能については主に以下のものが挙げられます。

玄米の効果・効能
  1. 便秘解消
  2. 食欲の抑制
  3. 糖尿病予防
  4. アンチエイジング

【玄米の効果効能1】便秘解消

便秘解消

玄米は白米に比べて食物繊維が“5倍”近く含まれており、これは玄米1食分(160g)でキャベツ120gに相当。

現代の食事において食物繊維は推奨量の6~7割程度しか摂取できていない傾向にあり、それが便秘の原因となっている人も多いです。

そのため主食でこれが補えるのは非常に合理的と言えるでしょう。

【玄米の効果効能2】食欲の抑制

玄米は白米と比べて腹持ちが良く、食事量を減らすのに重宝します。
これも食物繊維による効果です。

食物繊維が豊富なものほど飲み込むのに多くの咀嚼回数を必要とするため、そのため少量でも満腹中枢が刺激されるため満足感が得られやすいのです。

また血糖値の急上昇を防ぐことができ、緩やかに変動します。

一般には低GI食品と言われますが、これが腹持ちの良さに繋がります。

【玄米の効果効能3】糖尿病予防

「玄米などの全粒穀物(いわゆる茶色い炭水化物)の摂取により糖尿病のリスクが下がること」は多くの研究で分かっています。

また「白米を玄米で置き換えることで糖尿病のリスクを大幅に下がる」という研究結果もあります。

【玄米の効果効能4】アンチエイジング

玄米には抗酸化作用がある“ビタミンE”が豊富に含まれています。

これにより細胞が酸化するのを防いでくれるため、アンチエイジング効果につながるのです。

ほかにも様々なビタミンが美肌効果などももたらしてくれます。

玄米のデメリット

玄米に多くのメリットがあることはわかってもらえたと思いますが、実はメリットばかりではなく、いくつかデメリットも唱えられています。

結論をいうと間違ったものも多く、特に気にする必要もありません。

では具体的にどんなものがあるのか見ていきましょう。

【玄米のデメリット1】ミネラルの欠乏

「玄米には“フィチン酸”が含まれており、これは体内のミネラルと結合して排泄されてしまうため、ミネラル欠乏症となってしまう」

ミネラルが豊富な玄米を食べると、逆にミネラルが不足してしまうという主張です。

鉄分やカルシウムが不足することで、貧血や骨粗鬆症、イライラなどを引き起こすとのこと。

しかし、結論から言えばまったく問題ありません!

玄米を食べてミネラルが増えることはあっても減ることは絶対にないと断言できます。

詳しい説明は割愛しますが、大体の理由は以下のとおりです。

  1. 玄米に含まれるのはフィチン酸ではなくフィチン
  2. フィチンは既にミネラルと結合している状態なので、体内のミネラルを奪うことはない
  3. フィチンにしても玄米よりも豊富な食品(大豆やゴマ、とうもろこしなど)はある

参考サイト:けっきょく“玄米”は、安全なの? 危険なの? “フィチン”の効果についてまとめます

【玄米のデメリット2】残留農薬が多い

玄米には白米と比べて残留農薬の危険性を危惧する声をよく目にします。

実際、玄米の栄養素の肝でもある米ぬかの部分に残留農薬は溜まりやすいのです。

しかし実際には玄米の残留農薬の危険性ははっきりしておらず、病気の実例も見あたりませんし、専門家も「ほぼ安全である」とする声が大半です。

ただこれに関しては不安な場合は、無農薬の玄米を選べば解決します。

【玄米のデメリット3】消化に悪い

玄米は腹持ちがよく食欲を抑制する効果があるのですが、裏を返せば消化に悪いということです。

胃腸が強くない人が玄米を食べると胃腸に負担をかけてしまうので、そんな人は控えたほうが良さそうです。

【玄米のデメリット4】不味い

玄米は不味いと感じる人は少なくありません。

しかし、これは通常の白米と同じように炊いているからであり、玄米に適した調理の方法をとれば白米よりも美味しく頂くこともできます。

おすすめはこちら
玄米ご飯の炊き方(圧力鍋&土鍋にて)

あとがき

以上、玄米の効果やデメリットに関する記事でした。

ネット上には玄米の危険性を必要以上に強調しているものが多数ありますが、客観的に見て、胃腸に不安がある人以外は心配せずとも大丈夫だと思います。

それよりも白米はわざわざ栄養が豊富な米ぬかを取り除いていることを考えると、非常にもったいないです。

実際に玄米食はあらゆる病気のリスクを下げるのはいろんな研究結果から明らかになっています。

健康や美容のことを考えるなら白米を玄米に変えるのをおすすめします。

また玄米の種類についても人気のものを比較してランキングにしたので、玄米選びの際にはこちらを参考にしてください。

通販で購入できる人気の「玄米」15種のオススメランキング
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